中東情勢の緊張が支援要因となり、純金が一気に値上がりました。昨日買って、今日売れば儲かるくらいですね。私の職場でも、本日、純金の積立をしようかなあ、と後ろの方で話している声が聞こえてきました。
しかし、
「純金積立は損をする可能性があります。」
その理由はみていきましょう。
1 純金の価格推移と、1年あたりの利回り
※図の引用 三菱マテリアル株式会社
金価格推移 | 相場・マーケット情報 | 純金積立なら三菱マテリアル GOLDPARK(ゴールドパーク)
上記は、純金の価格推移です。
目分量でみると、1978年に1800円だったのが、2019年12月に5400円になっているのが分かります。
複利計算すると、利回り「4.9%」となります(長い目で見ると、毎年、4.9%ずつ増えていく)。これは、ここ40年間の比較的安い時に購入し、高い時に売った場合なので、かなり理想的な場合です。
※図の中で一番安いのは、1999年頃の1100円でしょうか。そうだと、20年間で5400円になったので、すごい利回りになします。ただし、最安値・最高値が分かるなら、ビットコインの方が楽勝です。笑
ちなみに、投資信託(インデックスファンド)の利回りは「4から5%」と言われています。ただし、リーマンショックの例をみて分かるように、純金よりも浮き沈みは大きいです。
「実物投資」、「株・債権に連動しにくい」、「安定資産」と言われており、そのとおりだと思います。が、しかし、、、
2 手数料
2020年1月6日現在、純金積立の手数料は、
SBI証券 2.2% 年会費・保管料無料、売却無料、手数料のポイントバック有
楽天証券 1.65% 年会費・保管料無料、売却無料、手数料のポイントバック有
A社 ウェブ上に手数料のテの字も記載なし
B社 「購入手数料無料」、「積立手数料あり」と記載のみで具体的金額なし
となっています。A社及びB社は、「純金 積立」とインターネットで検索し、一番上に出てきたウェブサイトです。あまりにひどいので、社名は伏せます。
他数十社調べると、年会費がかかる代わりに購入手数料が安いまたは無料という販売会社や、購入量によって手数料が変化する会社などがあります。10数社調べると、購入・運用・売却までを考えたおおよその純金積立の手数料は2.4%くらいと見積もれます。
すると、4.9 ー 2.4 = 2.5
となり、実利回りは2.5%となります。前述しましたが、これはここ40年間で比較的安い時に買って、一番高い時に売った場合の複利なので、実際の投資ではこれより下がる可能性が高いです。
そのため、純金積立は損をする可能性があります。
例えば、2011年から2018年は大きく価格が変動していないため、手数料の分大きく損をします。
1980年頃に購入された方は、価格は下る、手数料は取られていくという、考えただけで胃に穴があきそうです。
ただし、これらは、株でも投資信託でも似たことが言えると思います。
3 結論
純金積立は損をする可能性があります。
もちろん、手数料が安く、安い時に買って、高い時に売れれば、一定の利益は出ます。プラス、比較的浮き沈みが少ない安定資産と言われているため、大きな損をする可能性が低く、精神的な安心はあるかもしれません。
手数料のリスクを理解しても純金積立を行いたい方は、個人の積立量にあった手数料の安い販売会社を選択しましょう。
ただし、いくつか調べましたが、ウェブ上には手数料の記載のない怪しいサイトが多いです。もっとひどいのは、「購入手数料無料」と謳い、よくよく調べてると、信託報酬、月会費、他サービスとの抱合せなど、別の手数料が発生するものもいくつかありました。
または、金の延べ棒(金地金)購入の場合、500グラム未満の場合はパーチャージという手数料(100グラムで16000円くらいの手数料)がかかりますが、500グラム(今だと300万円くらいで買える)以上では手数料がかかりません。そういった商品を選択するのも一つだと思います。
私はまとまったお金が貯まるまでは、NISA枠での株主優待株買付と、インデックスファンドをメインとしようと思っています。400万円くらいになって、金の価格が下がり気味だったら、延べ棒を買いたいものです。
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投資は各個人の責任で行ってください。
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