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「2030年の世界地図帳」を読んだ

2030年の世界地図帳

著:落合陽一氏(2019年11月14日)

を読みました。

https://www.sbcr.jp/product/4797399950/

 

 

数年前、京都の学会で落合氏の講演を聞きました。

「論文を書くポイントは、2軸を持って研究に取組むこと」と話されていたのを今でも思い出します。当時大学院生であった私は、得意分野と不得意分野の研究を行いました。

 

 

この書籍を読むことで、少しだけ世界のことを知ることができたと思います。著者が研究者でもあるせいか、根拠に世界の統計を引用している点はとても参考となりました。また、引用文献が数百もあり、読書の数、調査の数が桁違いでした。

 

 

今回は、この書籍の、

 1 目次(概要)

 2 テクノロジー

 3 世界の人口、GDP

について紹介します。

 

 

 

1 目次(概要)

・2030年の未来と4つのデジタルイデオロギー

・貧困・格差は解消できるのか

・地球と人間の関係が変わる時代の環境問題

SDGsとヨーロッパの時代。

 の4章から成っています。

 

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

「1.貧困をなくそう 2.飢餓を0に、、、」などの17の目標を掲げ、一つの国だけでは解決できない問題を、皆で解決していこうという取組みです。

 

書籍全体の話は多岐に渡りますが、常にSDGsについて考察されています。

 

 

一部を見てましょう。

 

 

 

 

2 テクノロジー

 

「テクノロジーの動向予測として有名なのが、IBM社が毎年発表している【5 in 5】。これは5年以内に世界を変える5つのテクノロジーである。」

 

IBMのウェブサイトを見ると、「今後5年間で実現しそうなビジネスと社会を変えるイノベーションを、IBMの研究員たちが発表するのが「5 in 5(ファイブ・イン・ファイブ)」です。」と記載されています。

例えば、食のイノベーションの場合、

 

・農業のデジタル化:農作業に必要なリソースを共有するシェアリング・エコノミーをベースに、農業のオペレーションにイノベーションを起こしている。

 

・フードロスを、AI、ブロックチェーン、IoTで解消:世界では、生産された食べ物の1/3が廃棄されている。

 

・マイクローブ(微生物)が安全を生み出す:10年ほど前、中国で5万人を超える幼児がメラミンの混入した粉ミルクを飲んでしまい、健康被害を受ける大事件が発生。こうした事件をなくす。

 

スマホが食中毒防止ツールに:スマートフォンIBM ベリファイアーを取り付けて食品に向ければ、バクテリアの種類や数、危険性が表示されるなど、これまで2日かかっていた検査が数秒で可能になる。

 

・古いプラスチックに新しい命を:VolCatというプラスチックを再生プラスチックの原材料へと変身させる画期的なプロセス。

 

などがあります。

 

 

また、テクノロジーによる時代の変革を考える上で重要なのが、破壊的テクノロジーdisruptive technology)の存在であるとしています。1995年に経営学者のクリステンセンらが発表した概念で、それまでの価値観や社会のあり方を劇的に変化させる技術のことです。

 

iPhoneがその例と言われています。iPhone以外にも、フィルムカメラに対するデジタルカメラ、出版分野のDTP化、タクシーに対するuber、ホテルに対するairbnbなどがあります。

 

2030年の世界に影響を与えるであろう5つの破壊的テクノロジーは、

 ・AIなど機械学習関連技術領域

 ・5G

 ・自律走行・自動運転

 ・量子コンピューティング

 ・ブロックチェーン

であるとしています。

 

 

 

 

3 世界の人口、GDP

2030年以降、中国に代わり世界一になると言われているのがインド。現在世界2位となる14億人を抱えており、2024年に中国を追い抜く。インドは経済発展に極めて有利な人口構成となっているのが特徴。
インドのすぐ後ろに控えているのがアフリカ諸国。アフリカ最大の人口はナイジェリアであり、2050年には米国を抜き世界3位と予想されている。次にアフリカで人口が多い国はエチオピアである。

 

また、PwCGDPに関する調査と予測で、2050年には、アメリカ、中国、インドの3強になるとされています。

 

世界のビッグマックの価格一覧も示されています。

ビッグマックは世界でほぼ同一の品質であり、原材料や光熱費などさまざまな要因で単価ぎ決められていることから、各国の購買力を把握できるとして、イギリスの経済史、エコノミスト、の「ビッグマック指数」に使われています。

 

 

他にも、

人口ピラミッド

・世界市場における太陽光パネルのシェア(ベスト10位のうち、8社が中国)

・世界市場における風車のシェア

・世界の平均寿命

・世界の教育を受けている割合

・GAFAMを擁するアメリカとBATHの中国 ※

・高齢者が暮らしやすい国(日本は8位)

OECDの年間の平均賃金

OECDの年間の平均労働時間

SDGsの達成状況(上位はほぼヨーロッパ)

など様々なデータを元に、SDGsについての考察されています。

 

※GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)、BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)

 

 

 

この本を読んでいると、

・日本は安心安全であり、社会保障などが非常に充実している国であること

・米国経済も中国に頼っていること

・株で利益を上げることは小さなことであること

などを感じました。

 

 

その半面、今後、株の買付けや投資信託をするなら、

・インド、ナイジェリアなどの人口ボーナスのある国(かつ、人口ピラミッドが良い国)のチェック

破壊的テクノロジーの発見(上場はしていないがハイテク企業のチェック。日本だとスマートニュースの会社など)

・視野を広く持つ

ことなどが大切だと思いました。