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ジム・ロジャーズ大予測―激変する世界の見方
著:ジム・ロジャーズ
東洋経済新報社(2020/05発売)
を読みました。
※https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784492371251
ジム・ロジャーズは、1942年、米国アラバマ州生まれ。イェール大学とオックスフォード大学で歴史学を修めた後、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年間で4200パーセントという驚異的なリターンを上げる。37歳で引退した後、コロンビア大学で金融論を指導する傍ら、テレビやラジオのコメンテーターとして活躍。2007年よりシンガポール在住。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。
この書籍を一言でまとめると
「コロナショックで戦後最大の危機となる可能性があり、そうなるとアマゾンなどの大型株が下がりやすいため、一番安全な通貨である米ドルを持ち、金や銀への投資も重要となる。」
となります。
書籍の中で気になった部分を紹介します。
なお、この書籍はジム・ロジャーズが執筆した訳ではなく、彼の自宅に2回お邪魔し、インタビュー形式で話を聞き、東洋経済新報社がまとめたものとなっているそうです。
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すでにアマゾンやアップルの株などおおがた株を持っている人へ。
今後、ベア相場が到来するときには、それらの株は50-80%下がる。これが相場の仕組み。今すぐ売れとは言わないが、ベア相場に入る前に巨大なラリーがあるかもしれないので、それがラストチャンスだ。 ベア相場では、大手企業の株が1番下がる。なぜかというと、すべての投資家ぎこういった銘柄を保有しており、それを売らなければならなくなるから。同じ理由でetfも同様に暴落する。
(マーケットが中央銀行を信用しなくなると、現金が王様になりますか?と質問)
そう。しかし、持つべき通貨を間違えると大変なことになる。2007年、危機の予兆を感じた多くの投資家ぎアイスランドクローナに預金した。金利が15%もあったから。しかし、その後アイスランドは破綻し、投資家たちは現金を全て失った。今回持つべき通貨は、米ドルが最も魅力的である。
現金以外にも金や銀も買うべき。直近では、金より銀の価格が落ち込んでいるので、銀を選ぶ。
(今世界的投資家ぎ注目している国や地域は?と質問)
・38度線が開くようであれば、1番は朝鮮半島に投資したい。北朝鮮はシンガポールなどに人を送り込み、株式市場について研究させている。
・ロシアも魅力てきな投資先、債務が少ないから。プーチン大統領のもと、インフラ整備に力を入れている。
・刺激的だと思うのは、ベネズエラ。
・数年か数十年後にリターンがありそうなのが、ジンバブエ。
・ベトナムに関してはETFに投資している。長い目でみれば、魅力的な市場。人口が多くほぼ単一民族で構成される国は、多民族他宗教の国に比べて安定的に成長を遂げる。
残念ながら現在の日本は住み心地は良いものの、これから日本は確実に貧しくなっていく。財政赤字が膨らんでいく一方で、日銀が金融緩和でお金を擦り続けている以上、将来、円の価値は確実に下がるからだ。
円が今の価値を保っているうちに、早急に海外に資産を移すことを勧めたい。現在多くの資産を持っている高齢者達は、基本的に円高の時代を生きてきた人だ。円で資産持っていれば、相対的にその価値は上がっていった。
インフレにも警戒が必要である。
日本円で保有する年金と資産をあてにする人が多いだろうが、そういう人ほど痛手が大きくなる。額面通りの金額を受給できたとしても、円安とインフレで実質的な価値は大きく目減りしてしまうから。
日本の農地はかなり割安で、今が底値に近いと思う。買うことができるのなら、日本の農地を買いたい。
円は20年前は安全通貨だと思っていた。本当に安全な通貨の1番は、米ドルである。なので、米ドルを増やしている。
誰もが医療保険や終身保険に入るように、金や銀もポートフォリオの一つとなると良い。いつの時代でも、国家に信用がなくなると、みな金を買う。
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株式ではなく、米ドルや金銀を、というのは分かりやすくていいですね。
しかし、ETFが厳しいとなると、ほったらかし投資としていろいろ考えさせられる内容でした。