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「いま金を買わずしていつ買うのか」を読んだ

こんにちはあるいはこんばんは。

 

いま金を買わずしていつ買うのか

 植田 進【著】

 自由国民社(2019/08発売)

を読みました。

いま金を買わずしていつ買うのか! / 植田 進【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

 

著者の植田氏は、横浜総合FP事務所代表。資産運用アナリスト。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、一級FP技能士、テクニカル・アナリスト。横浜国立大学卒業後、証券会社で営業とファンドマネージャーに従事した後、独立し中立・第三者の立場から相談業務・教育研修業務・講演・執筆・コンサルティングなど幅広い分野で活躍。

 

 

 

投資の目線でこの書籍を一言でまとめると、

「投資は、ポートフォリオの一部に、手数料が安く信用のある業者の金地銀を2割組み込み、安心感のある資産形成にする」

となります。

 

 

 

目次と気になった部分を紹介します。今まで一番の長文となっています。

なお、この書籍は、2014年12月発行『安いうちに今こそ金を買いなさい』を改題の上改訂し、新たに発行したものだそうです。

 

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底打ちから3年。NY金価格1400ドル突破。いよいよ上昇トレンドへ。
資産保全&値上がり益が狙えるのは「金」だけ! 消費増税前のいまが買い時、金投資の始め時。

 

◆国際金価格、国内金価格ともに上昇トレンドへ

◆他にはない実物資産としての金の特長

 

◆「有事の金」は忘れた頃にやってくる

◆金を売ると値上がり益のほか、個人でも消費税を受け取れる

◆はじめての金投資でもイチからわかる!

 

 

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●いつ起きるかわからないからこその、不測の事態
米中ソの三つどもえのパワーバランスの下、再び朝鮮半島での緊張の度合いが高まりつつある。日本は今まで以上に紛争の当事者となる可能性が高まりつつある。特に尖閣諸島をめぐる中国との軋轢などは大きな地政学的リスクといえる。最悪の場合、日本の国土の一部で武力衝突が起こることもないとはいえない。

 

●金は燃えない資産だからこそ安心できる
金は火災に強く、何千年を経ても品質が変わらない。金には不燃性という他の金融資産にはない特殊性があり、いつまでも安心して子々孫々にわたり保有し続けることができる。

 

●金は、2017年末までに19万トン、確認推定量は5,6万トンと言われており、毎年3000トン発掘されているため、約15-18年で枯渇するという、きわめて希少価値の高い貴金属の一つである。
日本において、金への関心が高まったのは、1980年の第一次金投資ブーム、2011年までの第二次金投資ブームがある。第一次金投資ブームでは、イラン革命、第2次オイルショックアフガニスタン侵攻が重なり、短期間に大暴騰を演じた。

 

●財産五分法で資産の20%を金にする
昔から日本特有の考え方に財産三分法がある。資産を預貯金、株式、不動産に分散しておくという考えだが、これは1990年代初頭のバブルの絶頂期までの日本では確かに合理的で、広く一般的な分かりやすい考え方でぁった。
財産五分法は、これからは預貯金、株式、不動産、外貨建て商品、新しい金融商品の5つのカテゴリー商品を運用対象とする考え方をいう。しかし、分散投資で十分留意すべき点は、どこの国に分散させるのか、どのカテゴリーの商品に分散させるのか、資産の配分割合、リバランスの4点である。
欧米では、資産の10%を金で保有するという伝統的な考え方がある。

 

●消費税は10%どころか20%の時代がやってくる
今後も高水準の国債発行が続くことを考えれば、さらに財政赤字や公的債務残高ぎ拡大していくことは明白である。
10%でも日本の消費税はまだ低い。ハンガリーの27%を筆頭に、20%以上の国が33か国ある。

 

●金投資で消費税を逆手にとる
普段、私たちは消費税を支払う立場に過ぎず、受け取るようなことはまずない。ところが、金地銀の売買の際には、購入時に金価格に上乗せされた消費税が、売却時の金価格にも上乗せされて戻ってくる。つまり消費税を受け取れる立場になる。

 

●新産金生産では中国がトップを独走中
金の生産量は、中国426トン、豪州295トン、ロシア270トンの順。
金の消費量は、中国976トン(29.7%)とのインド760トン(23.1%)で世界の半分を占める。

 

●計り知れないインドの潜在的なパワー。
金の消費量、経済張っても目覚しく、今後は中国に対抗するアジアの有力な経済大国になると思われる。インドでは、金への特別な思い入れがある。秋の結婚式シーズンになると、親が嫁ぐ娘に沢山の金を持参させる「ダウリー」という伝統的な習慣がある。

 

●金ETFの資産残高は長期資金の動向を映し出す
金価格と金ETF資産残高は相互に密接に結びついている。金先物市場の動向は、この金ETF資産残高の増減にも端的に現れる。

 

●世界最大の金ETF金保有量推移に注目する。
スパイダーゴールドシェアSPDRをー例に見てみる。すると、金ETF資産残高の推移は、まさに国際金価格の動向を映し出す鏡のような存在であることがわかる。


●世界の五大市場を中心に取引されている
ニューヨーク、ロンドン、チューリッヒ、香港、東京の5つである。

 

●金価格には国際金価格と国内金価格がある
世界共通の取引価格となる1トロイオンス当たりのドル建て金価格(国際金価格)と、東京市場における1g当たりの円建て金価格(国内金価格)がある。

 

●金地金は5gから買える
留意点として、500g未満の金地金の購入には、通常の売買手数料(スプレッドともいう)の他に、スモールバーチャージ(加工料)が加算される。しかも、購入時と売却時の両方に適用される。したがって、あまり小口過ぎるとデメリットの方が大きくなるので、資金に余裕のある方は500g単位で購入するのが賢明な方法といえる。

 

●金地金の購入と業者のチェックポイント
上場、非上場や自己資本率などの信用力。売買手数料。保護預かりや保管料などの適用要件。換金時の買取りの有無と適用要件。他社購入の金地金の鑑定料の有無と適用要件。

 

●金地銀の売買と取引コスト 4点
1 国内金価格にかかる消費税

2 売買手数料(スプレッド)

3 スモールパーチャージ

4 売却益(譲渡所得)課税


2の売買手数料とは、金地銀を売買する際に販売事業者に支払う手数料で、スプレッドとも呼ばれている。購入時の国内金価格に買付手数料を上乗せしたものを店頭小売価格、売却時の国内金価格から売却手数料を引いたものを店頭買取価格と呼んでいる。スプレッドとは、1g当たり往復(買いと売り両方)の売買手数料の幅のことで、販売業者のマージンになる。大手販売業者などが80円前後であるのに対し、金地銀の売買以外にも金先物取引などを取り扱う商品取引会社になると、50円前後としている業者が多くなっている。

 

●金地金の保管とコスト
保管の方法は、自宅の金庫、販売業者の保管サービス、銀行などの貸金庫で保管がある。
具体的な方法や保管コスト、売却時の買収制度、別会社に委託している場合のリース運用、保管先業者の財務状況などについて十分に比較検討し、自分にとって安心できる方法を選択するようにする。

 

●金地銀には利息はつかないが配当をもらえる場合がある
うまい話には何でも疑ってかかる必要がある。そもそも金地銀は、マーケットバリューという点から、値上がり益のみを期待するだけであり、利息がつくことはない。ところが、保管先の販売業者が顧客の金地銀を『リース運用』することで、顧客がその配当を受け取れる場合がある。ただこのリース運用は、一般的に消費寄託契約であるが、金地銀の所有権は販売業者に移り、顧客は返還請求権を有する形になることに十分な注意が必要である。もし販売業者が破綻、倒産した場合、金地銀が手元に戻ってこなくなるおそれがある。
たとえば純金積立の場合も一般的に消費寄託契約にやりリース運用される仕組みである。また、純金積立のリース運用による収益を顧客に還元している業者は少ないようである。

 

●売却時の留意点
購入時の販売業者の保管サービスを利用していれば特段の問題はないが、自宅の金庫や銀行などの貸金庫ね保管している金地銀を業者に持ち込んで売却する場合は、購入時の買付計算書、が必要になる。また、自社販売以外の場合には、本物の金地銀かどうかの確認のための鑑定料を別途徴収する販売業者もある。
留意点。購入時と同じ相対取引、保管サービスなら金地銀の持参や郵送のテマが省ける、購入時の計算書の紛失は本人確認書類が必要となる、キズがある金地銀型金貨(コイン)の買取価格は低くなる、キズがあっても重量減でなければ通常価格で買い取る


●コインの取引と保管方法の留意点
金地銀金貨の購入価格には、その時々の国内金価格に鋳造コストがプレミアム(加工料)として上乗せされる。キズに弱い点に注意。

ポイントは、購入時期の分散で価格変動リスクを軽減できる。まとめて購入しても1枚単位で売却できるため小回りがきく。金地銀のようなスモールパーチャージがない。金地銀金貨はプレミアムがある分だけ、金地銀より割高になる。1オンス金貨はスプレッドの幅が最も小さく投資効率がよい。

 
●純金積立でコツコツと資産をつくる
純金積立はうまく使えば、ドルコスト平均法で平均買値を安くできる。ただこの方法は、金価格の上昇局面には向かない。金価格の下落局面や安定圏での動きが続くような局面では有効であるが、金価格の上昇局面では平均取得価格も徐々に切り上がることになる。

 

●金は最後の拠り所
「たった一枚の金貨がコメ1俵あるいは1杯の水、一切れのパンの代わりとなり、自分と家族の命を守ってくれるかもしれません。」

 

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金を買え、という数多の書籍や雑誌がありますが、金の基礎知識、買い方・保管方法・売り方についてまとめられているものは少ないです。

 

1年前にこの本に出会いたかったですね^^;