こんにちはあるいはこんばんは。
読者から、「外貨建て生命保険ってどうなのか」という質問があったので、一つの良書を紹介します。
投資なんか、おやめなさい
荻原 博子【著】
新潮社(2017/09発売)
※投資なんか、おやめなさい / 荻原 博子【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
を読みました。
荻原氏は、1954(昭和29)年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。以降、経済ジャーナリストとして活動。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説する第一人者として活躍。
この書籍を一言でまとめると、
「投資(投機)はギャンブルであり、金融マンとその会社が儲かるだけなので、投資(投機)はしない方が良い」
となります。
ちなみに、この書籍では、投資=投機として書かれていると思います。したがって、インデックスファンドのような話はまた別のことと捉えたほうが良いでしょう。
目次と気になった部分を紹介します。
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第1章 あなたは、騙されていませんか?(「外貨建て生命保険」の思わず「納得」しそうな誘いのテクニック;「日本は利息ゼロだが、この商品は運用利回り3%以上」は本当か? ほか)
第2章 日銀の「マイナス金利」が、家計の資産を破壊する(増え続ける「タンス預金」40兆円;企業の「タンス預金」も、急増している ほか)
第3章 こんなクズ商品には手を出すな(「毎月分配型投信」―投信の約4割を占めるのに、構造的に欠陥あり!?;「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は、投資の世界ではNG ほか)
第4章 なぜ「個人年金」はダメか(「公的年金がダメなら、個人年金」なのか?;「個人年金」には、大きく2つのパターンがある ほか)
第5章 投資の「常識」を疑おう(投資と「老後の安心」を結び付ける必要はない;実は倍増している、デフレの中での預金効果 ほか)
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●いま、三大メガバンクをはじめとした金融機関が、生き残りをかけて、あなたを投資に誘い込もうとしている。
特に狙われているのが、たっぷりと退職金を持ちながら投資に縁がなかった、人が良くて騙されやすい高齢者。そして、投資をしないと将来が危うくなるという思い込みで、時間がないのに不安に駆られながらも何かしようとしている働き盛りの世代。
●●1章 外貨建て生命保険の思わず納得しそうな誘いのテクニック。
外貨建て生命保険に加入した人の理由3つ。
・日本の銀行ではほとんど利息がつかないが、この商品なら運用利回り3%以上
・少子高齢化が進み日本の国力が衰えて円安になるので、外貨ならさらにおトク
・保険は、1歳でも若い方が保険料は安いので、すぐに入った方がいい
いずれも保険会社のセールストークであり、落とし穴がある。
●●第3章 こんなクズ商品には手を出すな
●毎月分配型投信
投信の約4割を占めるのに、構造的に欠落あり。5人中2人が買ってるのなら変なものはないだろうと、赤信号みんなで渡れば怖くない、心理が働いている。毎月分配型投信には5つの落とし穴がある。
・目減りしても分からない
・海外の信頼できる国の債券、に安心する
・分配金を出すためのタコ足配当
・実は、年金代わりにならない
※「一千万円預ければ、月々5万円の分配金が出るので、これで不足している年金を補うことできます!」と言われて加入する人が多い。
・手数料が高すぎる
●日本人の弱点につけ込む、純金積立、投信積立
日本人は農耕民族であるから、みんなでコツコツ畑を耕して、地道に作物を育てて、みんなで収穫を得て生活するというパターンになじんでいた。これを、郵便局の積立定期と勘違いすると、相手の思うツボになるかもしれない。
純金積立、投信積立の3つの落とし穴
・コツコツ金を買いながら、コツコツ手数料を払う
・金融機関が大絶賛、ドルコスト平均法は、愚の骨頂
・金融機関が勧める長期投資の幻想
●老後に負債を抱え込むマンション投資
●●最終結論 「投資をしなくては、という呪縛を解きなさい」
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投資を推奨する書籍が多い中、落とし穴という負の側面を伝えてくれる書籍は面白いです。
それぞれの落とし穴への反論、またはそれらを上回るメリットがないと投資はしない方が良いのかもしれません。
この本全体を読むと分かりますが、執筆者は、投資=投機のこととして捉えていると思います。そのため、インデックスファンドで長期運用する視点に立ったときの意見も欲しいものです。
投資を始める前、または今の投資で良いのか迷っている方は手にとってみると良い書籍の一つだと思います。