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米国ETF選び

こんにちは あるいは こんばんは。

 

今年のSBI証券NISA口座枠でどのETFを買うか検討しています。配当金を増やし、それを用いて来年からの新NISAを早めに埋めたいため、高配当ETFにしようかと考えています。

 

 

年間利回り(成長率)、手数料、税金、セクターローテーションの4点から見てみます。

 

検討中の商品例をまとめました。

ETFを比較する上での比較対象銘柄は、一番人気のSPY、またはVOOやIVVなどの商品となります。この3商品はほとんど差がなかったので、SPYとその他の高配当ETFを比較していきます。

 

●年間利回りの観点

できる限り長い期間で年間利回り(年平均成長率)を比較したいのですが、SPYDは設定日が2015年10月21日と若いETFであり、その設定日から2023年2月3日までの、SPY、VIG、VYM、HDV、SPYDを比較します。

SPYの成長率12.5%とVIGの成長率12.6%が最も良い成績でした。この成長率(CAGR:年平均成長率)は、年間の利回りと考えても大丈夫です。

先にまとめた一覧表は、2種類の期間で年平均成長率を比較しています。

 

 

 

ところでこういったチャートは簡単に人を騙すことができます。テレビや雑誌、ブログなどでは、それを使用する個人に都合の良いチャートが表示されていることが多いように思っています。例えば、上記と同じ商品で適当に期間を変更します。

すると、「SPYDが年平均成長率18.4%で圧倒的、高配当しか勝たん!」といった考え方になったりします。そもそも10年くらいの短期間で比較しても、その時期に大きく成長したテーマ・国・セクターなどによるため、一つの参考にしかならないと思います。

”数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う”という言葉が頭をよぎりました。

 

 

●税金の観点

上記の年間利回りは、配当を再投資した場合の数値ですが、買付け手数料や税金などの計算は含まれていません。

※引用 ETFReplay.com Portfolio For December | Seeking Alpha

したがって、配当利回りの高い商品ほど税金が多く取られ、実際の年間利回り(年平均成長率)は低下します。

高配当ETFを選択したい場合、VIG・VYMの数値は優秀に見えます。しかし、SPYDは2022年12月15日に分配金の大幅増配を発表し、四半期分配金0.1276ドルから0.5073ドルへとなった数値が、上記の利回りには含まれていないと思います。

 

 

●手数料の観点

主にチェックする点は、経費率(投資信託の場合は信託報酬をチェックしています)と、買付け手数料です。ETF投資信託よりも低い経費率の商品が多く、0.10%を切る商品も多いことがメリットの一つです。

また、各証券会社はよくETF買付け手数料無料キャンペーンを開催しています。SBI証券では、現在、VT、VTI、VOO、EPI、GLDM、QQQ、SPYD、AGG、VGT、IYRの10商品について、買付け手数料無料となっています。通常の買付け手数料は、購入時の0.49%(購入手数料0.40%、消費税0.09%)です。実際はドル転の手数料もかかりますが、例えば20万円分のETFを購入するときに、無料で買えるか1000円の手数料がかかるかの違いとなります。

 

どの商品が一番良かったのかは分かっても、これからどの商品が一番良くなるかは誰にも分かりません。個人である程度コントロールできるのは、手数料の安い商品選択や、税金を少しでも安くするようにすることだと思っています。

 

 

●セクターローテーション

株式市場でどのセクターが人気になるか? ということは、1)景気の強弱と、2)金利の方向によって大きく影響されることが知られているそうです。

※引用 マーケット|SBI証券

 

現在は高金利で景気が弱いためエネルギー株となりますが、株などには先見性があるためヘルスケア、消費安定株の人気があるように見えます。これから米国金利が下がることを前提にすると、ヘルスケア、消費安定、公共、ハイテク、金融株などの割合の多いETFが有利のようにも思います。

 

 

●その他

QYLDなどの商品を推奨している書籍やブログもあるようですが、カバードコールといい、オプションプレミアムを得る(それが分配金となる)代わりに原資産の株価上昇の利益は完全に捨てる戦略のため、私にとってデメリットが大きいです。分配金利回りだけ見ると惹かれますが、トータル例では以下のようになります。

QYLDが一番若い商品のため、その設定日の2013年12月11日からの期間です。また、最近人気のある、全世界ETFのVT、全米ETFのVTIもともに比較しました。結果は上図のように、SPYの年間利回り11.8%に対して、QYLDは6.4%でした。

 

 

 

特定口座で商品を購入した場合、米国で10%課税された後、日本でも20.315%課税(結果二重課税で28.835%)されます。ある程度所得のある場合、確定申告でこの二重課税分約10%を還付金として戻すことができます。

NISA口座で商品を購入した場合は、米国の10%課税のみとなります。

そのため、NISA口座を活用したほうが、もちろん含み益分の税金がかからないメリットもありますが、配当・分配金に関しても税金が安くなるのでお得です。

 

 

 

大切なのは資産のトータルだと思っていますし、敗者のゲームという書籍を読んでから、平均以上に勝つことは難しいことはわかっています。そのため、NISA口座の活用に関しては、迷ったら手数料の安い米国投資信託にします。その上で、高配当ETFの良い点は、配当・分配金を、次大きく上がるであろう商品に投資できる点であり、ゲームのようで面白いです。