日経BP総研2030展望 ビジネスを変える 100のブルーオーシャン
2019/10/18 日経BP総研 (著)
直接ほったらかし運用には結びつきませんが、興味深かったので紹介します。
日経BP総研の研究員とコンサルタント総勢80人がそれぞれの専門領域から、2030年に向けて新たに生まれ大きく伸びる市場をピックアップし、100件のブルーオーシャンとして抽出したものです。
冒頭、イノベーションが生まれる構造変化についての説明があります。
注目すべき構造変化として、「有形資産から無形資産への変化」があるようです。2017年10月の通称伊藤レポート2.0が指摘したものであり、経済産業省が公開した「持続的成長に向けた長期投資研究会報告書」があるそうです。
今後の経済成長のキーワードは、
『ESG(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)』
『無形資産投資』
となるとのことです。日本のESGは欧米より低く、課題となっている。
中盤からは、ブルーオーシャンに育つ可能性のある市場100件を紹介されています。興味深かったもの、かつ市場規模が大きかったものをピックアップしてみます。
◯ 夜のスリープマネジメント
2030年には、経済損失16.9兆円、GDP影響3.3%
日本にとって最も伸びる可能性のある市場。理由は日本が飛び抜けて睡眠不足の国だから。OECDの33カ国調査で日本は睡眠時間の短さで一位だった。Randeuropaが、経済損失を計算した。
◯ クローンエージェント
2030年には、10兆円の市場規模。人間のように振る舞うAI、本人に代わってクローンが判断。
◯ TechArt輸出
7兆円の市場規模(文化庁2016出典)
日本のクリエーターが生み出すメディアアートやインスタレーションアートのニーズが世界中で急増。
◯ 個人格付け
2030年には、10兆円の市場規模。個人の信用情報を基に格付け。決済のほか購買やトラブルの履歴も評価。
◯ 情報銀行
2030年には、132兆円の市場規模。GAFAに対抗した個人情報の活用、情報銀行認定制度、PDS(パーソナルデータストア)、データ取引市場。
◯ ブロックチェーン遺言信託
2030年には、50兆円の市場規模。フィデリティ退職投資研究所2016年調査に基づき推定。
遺言書を専門家のアドバイスを受けながら、ブロックチェーンに登録し、本人であること、改ざんされていないことなどをブロックチェーンが担保する。相続対策。すでに、米生命保険会社メットライフがイーサリアムと呼ぶブロックチェーンで保険金請求を簡単にする計画を発表済。
◯ 情報コンシェルジュ
25兆円の市場規模(オウケイウエィブ総研調査より加工)
意思決定に必要な情報を即座に届ける。専門家をITで支援。
◯ 再生可能エネルギー
+100兆円。世界エネルギーアウトルック2017(IEA)
パリ協定に沿って二酸化炭素削減の自主目標達成のために再生可能エネルギーが使われるようになってきた。2040年には、グローバルで年間の電力需要が2016年より150兆円分増え、その分を再生可能エネルギーで対応する。そのため、2030年頃には発電原価ゼロ円の電力が大量に出回っているだろう。
いかがでしたでしょうか。
今後、ESGと無形資産投資にもフォーカスをあてていきたいと思います。
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