ゼロから始めるほったらかし運用生活

投資信託をメインに運用生活を楽しみます

運用の相談を受けた4

こんにちは あるいは こんばんは。

 

Rさん(30歳)から、「株とか面倒くさいけど、ずっと何かはしなくちゃと思っていました。将来を考え何をすればいいですか?」という相談を受けました。ここには記載しませんが、Rさんの年収や家族構成も聞いた上での話となります。

 

 

なお、以前のブログにあったHさんの同僚のため、同じ福利厚生の恩恵を受けています。

運用の相談を受けた2 - ゼロから始めるほったらかし運用生活

 

 

----------Rさんの家計の大まかな状況----------

・会社の財形A、B、Cだけ定期積立てしている

・銀行の貯金200万円をどうすればいいか迷っている

・あまり老後の蓄えに重きをおき過ぎたくない

・車、家など特に高額なものを買う予定はない

・毎月もう少し貯金できる

・めんどくさいのが苦手で、なるべく楽にできる方法がいい

 

 

-----------貯蓄・運用状況(年間の掛け金)-----------

財形A:年6万円積立て

生命保険控除適用(年5万円分まで)、年1.2%の利回り、老後まで引き出し不可、原本割れしない、解約は可能

 

財形B:年6万円積立て 

個人年金保険控除適用(年5万円分まで)、年1.2%の利回り、いつでも一部引出し可能、原本割れしない

 

財形C:年56万円積立て

全額所得控除、年1.2%の利回り、老後まで引き出し不可、400万円まで積立可能、原本割れしない

 

iDeCo、NISA、他の積立て保険や運用は、なし。

 

 

まとめると、毎年68万円を定期積立てしています。少し紐解くと、

 老後用に62万円

 いつでも使える運用として6万円

を毎年積立てしていることになります。現時点で少し老後に重きをおいているように思います。

 

 

 

 

----------提案1----------

できる限りお金を減らしたくない、堅実でいて、税制控除などを最大限受け取るための1年あたりの掛け金額

 

財形A:6万のまま

財形B:毎年の積立ては6万のままだが、貯金の200万円をすべて増額入金する

財形C:40万くらい

iDeCo:14〜28万 新規に定期積立て

 

 

この提案のポイントは5点です。

・財形CとiDeCoを合わせて56万円程度にすると、今までと変わりなく老後に重きを置きすぎずに運用できる点

iDeCoにも入ることで、合計所得控除が増える

・財形Bに貯金分を増額入金することで確実に、銀行より利回りの高い運用ができる点

・新たな手続きはiDeCoと増額入金だけなので、比較的手間がかからない。唯一迷うのは、iDeCoのための証券会社選びと、iDeCoの銘柄選びくらい

・すべて定期積立てのため、一度設定すると、1年に一度くらいリバランスを考えるが、基本何もしなくて良い

 

 

 

 

----------提案2----------

提案1よりもリスクが取れるため、より期待値の高い運用がしたい場合の1年あたりの掛け金額

 

財形A:6万のまま

財形B:6万のまま

財形C:56万のまま

iDeCo:14〜28万 新規に定期積立て

NISA:120万 新規に定期積立て、今年中に枠を埋める

NISA口座分が埋まった後、残りの貯金分は特定口座で定期積立てする。

 

 

ポイントは、4点です。

・財形A、B、Cは変更しない。放置し、老後、または必要なときに引き出す

・提案1同様iDeCoを新規に始める

・積立てNISAではなく、一般NISAを始める。理由は200万円の貯金があることと、来年からシンNISAになるため

・貯金が多くあるので、できるだけ早くNISA口座分を埋めて、その後特定口座で投資信託などを買う。この特定口座分は来年のNISA口座に移す。

 

 

 

----------老後の運用額比較----------

現在のままの積立て、提案1、提案2での60歳時の運用金額を、iDeCo・NISAの利回りを4%とし試算します。また、今後30年平均で毎年60万円ほど貯金できると仮定します。財形、iDeCo、NISAを合計したものを金融資産とします。

 

現在のまま:金融資産920万、税制控除分130万、貯金1,800万    計2,850万円

提案1  :金融資産2,040万、税制控除分200万、貯金1,500万   計3,740万円

提案2  :金融資産8,720万、税制控除200万、貯金0、税-1,000万 計7,920万円

 

 

補足説明

・今までに積立てた分は計算しておらず、また年収も上がり、さらに実際の金融資産受け取り時は65歳か70歳頃の場合の複利効果を考えても、実際は上記の計算よりも多くなると思います。

 

・提案2において、毎年120万円の積立ては一見困難なように思いますが、現在貯金が200万円あること、現在定期積立て以外に毎年30万円ほど貯金できていることと、財形Cは後3,4年で満額になり毎年56万円分をNISA口座で運用できること、給与が上がっていくことを織り込んでいます。

 

・提案2に記載のあるマイナス分の「税」とは、今から可能なNISA口座最大運用額は掛金が1920万円分のため、それ以降の掛金に対する利益については20.315%の税金がかかります。

 

・財形A及びBの利益が50万円を超えた分については税金がかかりますが無視しています。

 

iDeCoとNISAの利回りは、選択する商品や経済にもよります。ばっちゃま氏の動画(ばっちゃまの米国株 - YouTube)では、米国でいうとよくて年利回り8%と言っていましたが、世界が4%成長するという意見も多いため低く見積もって利回りを4%として計算しています。ちなみに、利回り8%だと、提案2の金融資産は1億7000万円になります。

 

 

 

-----------質疑-----------

Rさんからの質問に回答しました。

 

Q 証券会社はどこが良いか

A 手数料の安いネット証券が良い。SBI、楽天マネックスなどはよく聞く。後は、自分の経済圏で特典のある証券会社が良い。よく買い物に行くスーパーや、携帯代などを考慮し、ポイントが溜まりやすいなど。注意するのは、例えばiDeCoを運用するだけで毎年5000円の手数料がかかる証券会社などもあるため、そういったところは選択しない。

 

 

Q iDeCoやNISA運用のメリットとデメリット

A デメリットは、最初の手続きがめんどくさい。証券口座を開き、iDeCoを申し込みし、手数料の安い方法で証券会社へ入金し、何を買うかの商品選びがある。

 メリットは、多くの場合、株式で運用したほうが運用額は大幅に増える。経済や企業に興味を持てる。

 

 

Q iDeCoとNISAのどちらを始めたらよいか

A 貯金があることを考えると、両方始めたほうが良い。リスクをあまり負いたくないなら、老後しか引き出せいないがiDeCoから始めることで税制く控除のメリットが大きい。

 

 

Q iDeCoとNISAは別々の証券会社にできるか

A できる

 

 

Q iDeCoは老後しき引き出せないのがひっかかる

A そのとおり。退職金があることを考慮すると、そんなに必要なのかという気持ちになる。ただし、Rさんは現時点でも毎年62万円分を老後用に積立てしているため、その毎年の老後用運用額は変えなくてよい、または少し減らすくらいでよいと思う。

 

 

Q 毎年5%の利回りというのは、毎年5%ずつ増えていくのか

A 違う。減ったり増えたりを繰り返して、長い目でみると1年あたり5%

例えば、私達の年金190兆円を株式などで運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、減ったり増やしたりしながら利回り3.38%で20年間以上運用している。GPIFは、日本株、日本債権、海外株、海外債権をおよそ4等分で安全運用しているため、株式のみの利回りよりも低いとされています。

引用 2022年度の運用状況|年金積立金管理運用独立行政法人

 

上図をみると分かるように、GPIF運用を四半期毎で見るとマイナスの四半期も20回ほどある上に、2002年頃は運用額がマイナス、2008年頃は8年も経過したのに運用額がプラマイ0くらいになっています。

 

GPIFで「 #リスク 」という言葉は、資産運用の世界では「 #リターン (収益)のブレの大きさ」を表します。グラフのブレ幅はそれぞれの資産のリスクを表し、ブレ幅が大きいほどリスクが高いことを示しています。

https://twitter.com/gpiftweets/status/1661499818357792768?s=46&t=fUgQh2hPfCcAAmPUEumA5Q

 

 

Q 貯金の200万円をどこで運用すべきか

A リスクを取れるなら提案2のiDeCoとNISA、それらが埋まった後は特定口座での株式運用が期待値が高い。ただし、一度に200万円運用すると、1日でマイナス3%つまりマイナス6万円など日常的にあり、暴落で半額つまり100万円になってしまうことなどが短期的にはありえる。精神的にもそういったリスクを取りたくない場合、iDeCoを始め、NISAを少額積立し、後は安全な財形Bで運用すると、大きなマイナスにはなりにくい。

期待値を求めるのもよいが、税金と手数料をできるだけ安くすることが大切。

 

 

Q 生活費はどれくらい残したほうが良いか

A 安定した収入があり、保険もあることから、給与の3ヶ月分ほどあれば十分だろう。何かあれば、保険金や財形Bから引き出しできる。

 

 

Q なぜ海外株、特に米国株が良いのか

A 今後の成長に期待できるから。詳しくは、以下のような書籍を読むと良いと思います。

「バカでも稼げる米国株高配当投資」を読んだ - ゼロから始めるほったらかし運用生活

「世界一やさしい 米国株の教科書 1年生」を読んだ - ゼロから始めるほったらかし運用生活

「40代で資産1億円! 寝ながら稼げるグータラ投資術~初心者でもできる、はじめての「米国株」投資」を読んだ - ゼロから始めるほったらかし運用生活

「お金は寝かせて増やしなさい」を読んだ - ゼロから始めるほったらかし運用生活

「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」を読んだ - ゼロから始めるほったらかし運用生活

 

 

Q 証券会社の口座作成方法、設定、注意点はあるか

A 個別株などを買った場合に備えて、配当金の受け取り方式設定だけ注意してください。

運用生活での失敗 - ゼロから始めるほったらかし運用生活